目的
長期的に安定なLi金属負極を形成するために、最適な電解液を設計する
- Li金属の容量は、現行LIBの負極に使用されるグラファイトの約10倍
- グラファイトをLi金属に置き換えれば、エネルギー密度を向上できる
課題
Liのデンドライト成長による特性の劣化
電解液濃度依存性
溶質LiFSI(リチウムビスフルオロスルホニルイミド)/溶媒SL(スルホラン)を用いた電解液の濃度の違いによる特性の変化
銅箔上に析出したLi表面のSEM像
電解液(LiFSI/SL)中のLiFSI の濃度が高い方が、形状の丸いLiが析出し、針状のLiが形成しにくい。
銅箔上に溶解析出させたLiのクーロン効率
電解液(LiFSI/SL)中のLiFSI の濃度が高くなるに従って、クーロン効率が高くなり、サイクル特性が向上した。
溶解析出条件: 1 mA/ cm2, 0.5 mAh/ cm2
銅箔上に溶解析出させたLi表面のXPSによる評価
- Li金属表面のXPSを用いた評価によると、電解液濃度が高いほどLiFが多く形成されている。
- LiFは表面エネルギーが高くかつ電気化学的に安定なため、Liのデンドライト成長を抑制し、安定なLiの溶解析出に寄与すると考えられる。