ポリエチレンオキサイド(PEO)、LiN(SO2CF3)2(LiTFSI)、低粘度溶媒(THF)からなる溶媒和イオン液体-ポリマー電解質を開発した。PEO/Li = 1:1 のモル比で 25 wt%の溶媒を添加する場合、すべてのPEOと溶媒がリチウムイオンと配合して、遊離溶媒が存在しなくなることを確認した。開発した電解質の電気化学的性能はLiFePO4/Liセルを使用して評価した。従来の炭酸液体電解質に比べ、より高いサイクル性能を獲得した。 約 15 wt%の難燃剤を添加するだけで不燃性が得られた。黒鉛負極でも動作することが確認された。

Without SL
15 wt% SL

溶媒和イオン液体-ポリマー電解質に難燃剤として15 wt%のスルホラン(SL)を添加することで、難燃性を獲得した。

D. Ding, Y. Maeyoshi, M. Kubota, J. Wakasugi, K. Kanamura, H. Abe, Non-flammable super-concentrated polymer electrolyte with “solvated ionic liquid” for lithium-ion batteries, J. Power Sources. 506 (2021) 230099.

溶媒和イオン液体-ポリマー電解質は一般的なポリマー電解質と濃厚電解液の組み合わせと見られる。

常温1Cサイクル性能

100サイクル後の放電容量維持率は、従来の有機電解液の場合(■)75.5%であったのに対し、今回開発した電解液(PEO:Li=1:1 + 25 wt% THF)()では95.5%であった。さらに、開発した電解液ではより高いクーロン効率を示した。

ラマン分光

[EO]/Li<2:1, THF 含量は15 wt%になると、遊離THF分子が消失し、PEOとTHFがすべてLi+と結合したと推定される。